組織を強くする技術の伝え方
- 作者: 畑村洋太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/12/19
- メディア: 新書
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会社で3分間スピーチを持ち回りで発表していて、自分の番でこの本の概要をサクっと紹介してみました。3分では全く収まりきらなかったのでブログで補完しておきます。
ホントに伝える側は難しいですね。自分も伝わる側の視点に立って考えられるように自戒しないと。
伝える側と伝えられる側
- 技術を正しく伝えることができたかどうかは結果として生じたものが伝えようとする中身とほぼ同じになっているかどうかで決まる*3
- AさんからBさんに伝達する例だと、Bさんの頭の中をいかにAさんの頭の中と同じにするかということ
- 伝える側がいくら「伝える」という動作を必死になって積み重ねたところで結果として伝わっていなければ「伝えた」ことにはならない
- 技術というのは本来、「伝えるもの」ではなく、「伝わるもの」
- 伝える側が最も力を注ぐべきことは、伝えられる相手の側で立って考えた「伝わる状態」をいかにして作り出すという点
受け入れの素地
- 「伝わる・伝わらない」は伝えられる側の知識を吸収しようとする意欲に大きく関係している
- 意味もわからずただ覚えなさい、というのは誰でも苦痛
- 動機付けをしてあげる=新しい知識を吸収できる状態になる
伝えるための5つのポイント*4
- まず体験させろ
- はじめに全体を見せろ
- やらせたことの結果を必ず確認しろ
- 一度に全部を伝える必要はない
- 個はそれぞれ違うことを認めろ
まず体験させろ
- とりあえずやらせてみることで伝わる側の知的好奇心を向上させる
- もっと知りたい、できるようになりたい、という素地
はじめに全体を見せろ
- 全体を見せることでこれから学ぶことがどのような役割を果たしているのか意識するようになる
- モチベーションもあがる
- 表面的な理解で終わることがなくなる
やらせたことの結果を必ず確認しろ
- 伝える側は伝達したら終わりではない
- 正しい方法できちんと伝達したのに理解できないのは相手の責任と思いがち
- 相手が同じ行動を取れているか、結果で判断する
- 結果が良ければきちんと褒める
- 悪ければ、なぜ伝わっていないのかきちんと検証する
- 伝える側、伝わる側どちらも問題がある場合が多い
一度に全部を伝える必要はない
- 全体を見せろ、と言っているがすべてを最初から伝える必要はない
- 初心者がすべての知識を吸収できるはずはない
- レベルによって吸収できる幅や深さは変化する
- 相手のレベルに応じたやり方をするべき
個はそれぞれ違うことを認めろ
- 伝える側に意識されていないことが多い
- 理解の方法や度合いは人によって異なる
- 伝える側の論理だけで伝達を行っているかぎり知識は正しく伝わらない
- 伝える相手の側に立って伝達方法を考える必要がある